GALERIE ASHIYA SCHULE ギャラリーあしやシューレ

岩名泰岳 Yasutake Iwana

岩名泰岳<七ツノ華>より



2017年11月5日(日)-12月2日(土)

 

OPEN  | 12:00-18:00 最終日17:00まで
CLOSE | 水・木 
reception&artist's talk | 11月5日(日)16:30-18:00 


ギャラリーあしやシューレではこのたび「岩名泰岳個展<七ツノ華>より」を開催いたします。
岩名泰岳は1987年三重県生まれ。成安造形大学を卒業後2010年から2012年はデュッセルドルフ芸術アカデミー(ドイツ)で研究生として学び、帰国後、村民芸術を提唱する「蜜の木」活動を開始。2017年からは旧島ヶ原村(2004年市町村合併で消滅)に集まる芸術家、職人、学者たちによる「過疎結社(仮)」の活動を実践し、新世代作家を代表する存在として新しい絵画表現を切り開いています。
島ヶ原に残る正月堂は、天平勝宝4年(752)の創始。1260年以上の歴史を超えて様々の行事が受け継がれてきました。加えて島ヶ原の聖地ともいうべき、正月堂裏山の観音山。
こうした島ヶ原の原風景や祈りの姿をモチーフとして、岩名は村に潜在するナラティブを色彩豊かに描き出してきました。地中深くに蠢く土と血の色彩と、表面の荒々しい質感との間に調和が生み出され、記憶と思索が寓話的幻想の中に浮かび上がる抽象作品は、数多くの鑑賞者を魅了しています。
今回の個展タイトルは、1927年(昭和2年)当時の三重県旧阿山郡西部青年団が中心となって発行していた文集『七ツノ華』を、岩名泰岳が地元の歴史取材中に発見したことが元になっています。「農村青年の飛び出す原因を知れ」と書かれた1927年編纂の文面からインスピレーションを受けた岩名は、時代を超えた人間の心の深部を描き上げることに成功しました。
弊廊では3回目の展覧会となる本展では、新作の油彩作品を中心に『七ツノ華』との詩的韻律を湛えた世界を探ります。それは、変容を続ける現代社会の中で、鄙ともいうべき島ヶ原の立ち位置から見える景色や思いと、そこに潜む美を表現する岩名泰岳の眼差しを映したものと言えることでしょう。
是非とも、ご高覧ください。

 

〈七ツノ華〉より                
数年前、私の制作拠点である三重県伊賀市島ヶ原(旧阿山郡島ヶ原村)のある老人に集落の記憶についての取材を行った際に『七ツノ華』という冊子を見せていただいた。これは1927年(昭和2年)に三重県旧阿山郡西部青年団が発行した文集である。文集の名は発行に参加した7つの村の青年団のことを指している。旧島ヶ原村青年団もそのうちのひとつの〈華〉だった。後年の市町村合併により現在この7つの村はもう存在しない。島ヶ原村も2004年に解体され、青年団もまた解散した。
『七ツノ華』に寄稿した昭和初期の村の若者たちは、農村から都市部への人口流出や経済格差、農業人口の減少による田畑の荒廃など、当時の実状とそれを克服しようとする決意や団結を綴っている。彼らが直面した〈風景〉の一部は90年後の現在も同じ土地でつづいていることと読むことができるし、彼らの理想や挫折、再生もまた繰り返されていると言える。
この展覧会に送るすべての絵のタイトルには『七ツノ華』に掲載されたテキストの断片を引用させていただいた。これらの言葉は彼らの物語を示すものであるのと同時に、私や(私がこの土地で参加してきたプロジェクトの)仲間たちの物語を示す言葉でもある。                 岩名泰岳
 


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