GALERIE ASHIYA SCHULE ギャラリーあしやシューレ

リエゾン liaison

谷 穹・桑野聖子



2020年10月18日(日)- 11月15日(日)
日曜日-水曜日  11:00-17:00 (木・金・土休廊)

不完全に歪んだり欠けたりしているものに美を見出した「見立て」。意図して作られたものでなく、意図せずに出来上がった偶然の美を見極めた茶人の審美眼。中世の室町時代から安土桃山時代にかけて、茶人や時の為政者らによって、日本独自の美意識は培われてゆきました。
谷穹は、古信楽を追い求めるうちに、世阿弥周辺の特権的な人々だけでなく、「古信楽」を生んだ陶工や農民にも、日本独自の幽玄思想が確実に根付いていたことを確信します。

伝世の古美術品を引用した「写し」。コンセプチュアルな思考の器としての「オブジェ陶」。陶芸を用いた現代美術の手法は、近年限りなく多様化してきました。さまざまな声色を使い分けたり、前衛陶芸に見られるハプニングの発見など、陶芸と現代オブジェの越境の試みは多岐にわたって行われています。
こうしたムーブメントの中にあって、谷穹は異次元の場に佇んでいます。
近年取り組んできた、古信楽の幽玄思想に迫る探求も爽やかに乗り越えたかのように、谷穹はひたすら壺の内側に向かっています。
それは、壺の内面に奥深く入り込み、空間に存在する「気配の纏わり」を追いかけながら、日本独自の精神性を探る試みといって良いでしょう。


■アーティストコメント|谷 穹■

2014年
そこはたしかな境界線だった
その先には長い長い 長い道があり
私はその一端に立った
西の果てにつながる乾いた道
南方を廻り東の彼岸を経由する円環の湿った道
やきものにはそれぞれの道程がアップロードされる

中世日本の技術に出会った時
そこに美意識が存在した事を確信した
やきものに偶然はない
室町期の信楽が幽玄を体現させるための技術とするならば
私は今の言葉を見つける必要がある
それはきっとその瞬間の音のようなものだ
壺が気配を蓄え
ぼやけて捉えられない様な感覚をもつためには
そのための技術が必要となる

例えば
意識の方向性
保有する空間や与えられる動作
時間を越える事
心地のよい違和感
向いている方角
内側と外側の境目
演者の素質

それらが転回し見えなかった事に気がつきだすと
演目のように時間が流れる

壺から空間がはじまるとき
壺はダンサーにもなれる

そして壺は常に人の内側に在る
これらは今ここに在り今ここにない





   
  
「壺×ダンサー liaison」会場風景
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